一般社団法人 日本アーユルヴェーダ学会

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アーユルヴェーダからのアドバイスコーナー: 水木 可葉
ア ー ユ ル ヴ ェ ー ダ の レ ッ ス ン(8)

季 節 の 話 : そ の 2

◇ イ ン ド の 季 節 は 六 季


インドでは、一年を日照時間が長くなっていくアーダーナと、短くなっていくヴィサルガとに二分しています。
そして、それぞれを三つに分け、一年を六季としています。春夏秋冬の他に、夏と秋のあいだに雨季が入り、冬と春のあいだに厳冬(冷季)が入ります。
ここでインドと日本の大きな違いに気づかれたと思います。北インドでは5~6月が夏で、夏至をはさんで雨季に入るので、先月号の説明がぴったり当てはまります。

ところが日本の場合、夏の前に梅雨がありますから、つじつまが合いません。
その代わりという訳でもないでしょうが、インドの雨季に相当する時期に台風シーズンがあります。夏の太陽で水不足になった大地に雨の恵みを授けてくれるのはいいのですが、暴風もいっしょというのは困りものです・・・



◇ 自 然 界 と 身 体 内


アーユルヴェーダによると、自然界をつかさどっているのは風と太陽と月ですが、身体内では
Vata(K)、Pitta(P)、Kapha(K)が同じ役割をしています。 Vataは、風のように「動き」を生み出します。
V体質の人が素早くて移り気なのも、そのためです。

Pittaは太陽のように「燃える」力をもっています。
P体質の人は熱しやすく鋭敏です。

Kaphaのいちばんの特徴は「結合」を起こす力ですが、月のように、冷たくて潤いを与えるのも大きな特徴ですから、K体質の人は冷静です。

ドーシャの特徴については、来月からもう少し詳しく書いていくことにします。



◇ 季 節 と ド ー シ ャ の 変 動


季節によって生活法や食事を変化させるのは、人体内のドーシャが外界の影響を受けて、変動するからです。(これには日照時間と脳内の松果体が関係しています。)
一年のドーシャの変動をみてみましょう。

Vは夏に蓄積し雨季に悪化します。
Pは雨季に蓄積し秋に悪化します。
Kは冬に蓄積し春に悪化します。

これは基本的なルールで、蒸し暑い日本の夏はVよりもPが蓄積されると考える方が合理的です。
冬はアーダーナが始まり、冷たい風が吹くので、KだけでなくVも蓄積します。


11 月 の < 日 常 と 季 節 の 過 ご し 方 >


北インドではこの時期は初冬なのですが、日本では晩秋です。
悪化していたピッタは鎮静化し始めます。季節の変わり目はなにかと健康上の問題が出てくるものですが、秋から冬へは比較的スムースに移行します。冬に向かって、体力、消化力が増していくからです。

2か月にわたってインドと日本の季節の違いに目を向けてきましたが、もっと大事な気象変化があります。それは環境破壊による異常気象の出現です。アーユルヴェーダは、暦だけに頼らず、自然現象を観察して季節を決めるように説いていますが、それだけでは対応しきれない変化が起こっています。

雑誌に気になる記事が出ていましたので、紹介しておきます。
アメリカて、公害物質が生き物のホルモン系に影響し、生殖能力を破壊しつつあると警告を発している書物(『盗まれた未来』)が出版され、論争を巻き起こしているそうです。

もうひとつ、東京のごみ処理場で散布する殺虫剤が風にのって運ばれてくる地域の子供たちの視力低下率が、他の地域に比べて高いという調査報告をご存じですか。子供の視力低下と生活習慣の関係がいわれていますが、ごみ問題とも関係があるのです。こんな怖い話を書くと、古き良き時代のアーユルヴェーダは、現代が直面している問題には答えてくれないようにみえます。

でも、そうではないと思っています。おかしなことが起こる前の、生活の基本を学んでおかないと、どこがどうおかしいのか判断できなくなると思いませんか。

つづき

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