一般社団法人 日本アーユルヴェーダ学会

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アーユルヴェーダからのアドバイスコーナー: 水木 可葉
ア ー ユ ル ヴ ェ ー ダ の レ ッ ス ン(9)

◇ 地、 水、 火、 風、 空


インド哲学では宇宙を物理的に表現するとき、パンチャ・マハーブータというのを持ち出してきます。これは五つの粗大元素と訳されているもので、地、水、火、風、空の五つのことです。
ただし、地面の地や流れる水や燃える火や吹く風や青い空のことだけを指しているのではありま せん。
突然、インド哲学の解説をはじめたのは、トリ・ドーシャの説明にもマハーブータが必要だからです。アーユルヴェーダでは、基礎理論にも、臓器の成り立ちにも、体質のバロメーターにもマハーブータを使っています。
それもそのはず、人間(プルシャ)はこの五つのマハーブータにアートマー(我、魂)が備わった存在だと、つまり人間は六つの構成要素から成り立っていると考えているのです。

人間だけではありません。生き物はすべて六つの構成要素からできています。
そして、無生物はアートマー抜きの五つの要素、つまりパンチャ・マハーブータでできていると考えています。
では、マハーブータとはどんなものなのでしょう。
五つのマハーブータである地、水、火、風、空は固体、液体、熱、気体、空間を意味しているのだと、理科の教科書のような説明を好む人もいるでしょう。抽象的なシンボルだと捉えるほうがなじみやすい人もいるでしょう。
人それぞれだと思います。とりあえずここでは、古代のインドの聖仙が物質を構成している基本要素を地、水、火、風、空の五つに決めたのだということにしておきましょう。



◇ 香、 味、 色、 触、 音


粗大元素にたいして微細元素と訳されているものがありますが、これはパンチャ・タンマートラのことです。
マハーブータは目で見ることができますが、タンマートラは見ることができません。
物質であるマハーブータがエネルギー変換されてタンマートラとなり、これが人間の感覚器官に 受容されるのだと解説している本もあります。

┌───────┬────────┰────┐
│マハーブータ │ タンマートラ ┃ 五感 │
├───────┼────────╂────┤
│ 地   → │ 香    → ┃ 嗅覚 │
│ 水   → │ 味    → ┃ 味覚 │
│ 火   → │ 色(光線) → ┃ 視覚 │
│ 風   → │ 触    → ┃ 触覚 │
│ 空   → │ 音(振動) → ┃ 聴覚 │
└───────┴────────┸────┘


◇ ウ゛ ァ ー タ は 風 と 空


先月号でヴァータは風のように動きを生むと書きましたが、ヴァータの主な機能は神経伝達と動作です。
呼吸、発声、消化促進、排泄などもヴァータの役割です。
風と空を受け取る皮膚と聴覚器官はヴァータと深く関わっています。



◇ ピ ッ タ は 火 と 水


ピッタは火と水の組み合わせです。火は体温となり、水は消化酵素やホルモンとなります。他に
皮膚の色つや、視覚、飲食欲、思考力などもピッタの機能です。



◇ カ パ は 水 と 地


カパは水があれば栄えるものという意味です。水は粘液となり、地はがっちりと身体を引き締め
ます。潤滑作用、骨格支持、味覚、脳の鎮静作用、関節結合などが主な機能です。




1 2 月 の < 日 常 と 季 節 の 過 ご し 方 >


アーユルヴェーダ本には、冬は体力、消化力、抵抗力が最も強くなるので、よく食べ、よく運動し、セックスの回数も好きなだけと書いてあります。
セックスに関してもいろいな規定があり、信頼する特定の相手と、合意のうえで、安心できる場所で、カパの時間帯に、満腹・空腹時を避けて行うということです。食事同様、欲望のままに際限なくということではないので、ご注意を。

先日、読者の方からインドで一般向けにアーユルヴェーダを教えている施設を知りたいという問い合わせがありました。わたしはアーユルヴェーダをインドの教育機関で学んだり見学したわけではなく、アーユルヴェーダの古典や解説書、そしてアーユルヴェーダのお医者さんからの聞きかじりを情報源としています。アーユルヴェーダの門の外にいるウォッチャーにもかかわらず、知ったかぶりで書いているのです。

これでは、門の内側の人たちから笑われそうだと思っていたやさき、TVから感じのよい音楽にのって"・・思い出に笑われて・・"というフレーズが聞こえてきたのでギクリとしました。
画面を見たらショヌテ・バロ、デクテ・バロ(聴いてよし、見てよし:ベンガル語)のソウル・シンガーUAウアの「情熱」のビデオ・クリップでした。

アーユルヴェーダに笑われるだけならいいのですが、インドの聖なる方々は呪いをかけるのが得意なので、用心しなくては。
今月号、余計なことを書きすぎたのは、呪いのせいかも?!

つづき

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