一般社団法人 日本アーユルヴェーダ学会

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アーユルヴェーダからのアドバイスコーナー: 水木 可葉
ア ー ユ ル ヴ ェ ー ダ の レ ッ ス ン(11)

◇ ア テ ィ ヨ ー ガ 、 ミ テ ィ ヤ ー ヨ ー ガ 、ヒ ー ナ ヨ ー ガ


伊藤武さんの近著、「語るインド」の影響というわけでもないのですが、今月はサンスクリットの見出しで始めてみました。この用語は、東洋伝承医学研究所の副所長でアーユルヴェーダ医のクリシュナUKさんが日本各地で講演活動をしておられたころ、これを話題にすると聴衆が熱心に聞いてくれると感心なさっていたものです。

アティヨーガ、ミティヤーヨーガ・・・・といっても、ヨーガ流派のトリアスではありません。
ここでは、ヨーガは"行使"という意味で使われていて、アティヨーガは過剰行使、ミティヤーヨーガは過誤行使、ヒーナヨーガは過小行使と訳されています。
そして、これが病気の原因のトリアスです。
漢字が連なると分かりにくくなるので、平たく表現すると、接し方の度が過ぎたり、おかしな接し方だったり、接し方が少なすぎたりするのが病気の原因になるということです。

接する相手は何かというと、外部からの刺激(光り、音、匂い、味、触れるもの)、行為(カルマ =言動、行動、情動)、時(カーラ=季節、年齢)の三つです。

そういえば先にもも五感について書きましたが、五感を喜ばせることが健康の決め手ですから、 上に書いたような接し方だとドーシャのバランスが乱れ、病気になるのです。

おかしな接し方には、凶暴なものや不気味なものを見聞きすることも含まれていますから、スリ
ラー映画ばかり見るのは健康を損ねるということです。
いくら好きでも激しい音楽を長時間聴くと、ヴァータが乱れます。

季節に関しては、梅雨といえども雨量が多すぎるのはアティヨーガ、少なすぎるのはヒーナヨーガ、春に雪が降ったりするのはミティヤーヨーガです。

夏に冷房を効かせ過ぎるのもミティヤーヨーガということになります。
いずれも身体の不調を招きますので、注意が必要です。



◇ 大 切 な の は 肌 の 触 れ 合 い


チャラカのトリアスの項を読み返していて、重要なメッセージを見つけました。触覚の情報はすべての感覚器官に伝達される、触覚は精神機能とは切り離せない関係にある、と明言しています。
逆に、精神の情報は触覚に伝達され、それが他の感覚器官にも及ぶとも書いてあります。

ややこしい説明ですが、チベットの女性から聞いた話を例に出すと分かりやすいかと思います。
熱いモモ(チベット風ぎょうざ)を手づかみで食べると、手の温かさと満腹感が脳に伝わり、安らかに眠れると言い伝えられているのだそうです。
これは、言い換えると、こころとからだは一体だというメッセージです。
そして、触覚が重要な鍵を握っているということです。

そうです。アビヤンガ(油剤塗布)の効果は、ここにもあったのです。
そうじゃないかと推測はしていましたが、そのことが古典にはっきり書いてあったとは、今まで気がつきませんでした。
アビヤンガに触れたついでに元に戻ると、油剤が熱すぎたり、冷たすぎるのはアティヨーガだそうです。すると、塗り方が下手なのはミティヤーヨーガ(誤った接し方)ということになりますね。
だれかにアビヤンガをしてあげるときは、こころを込めて祈る気持ちでしてあげてください。
そうすれば、あなた自身も気持ちよくなれます。

 

2 月 の < 日 常 と 季 節 の 過 ご し 方 >


風邪をひいたかなと思ったときは、早めのチャイをお勧めします。
ショウガをきかせて飲んでみてください。
ただし、アーユルヴェーダ式の予防法というよりは、強いて言えばインド式または私流のやり方です。アーユルヴェーダは風邪引きの特効薬として、シュリカンドというヨーグルトのデザートを勧めています。
ヨーグルトに砂糖、すりつぶしたカルダモンとサフラン、刻んだピスタチオを混ぜて出来上がりです。

ヨーグルトはアビシャンディの性質があるので、夜には食べるなといわれています。
アビシャンディとは、身体内の管(スロータス=消化管、血管をはじめ身体内のありとあらゆる管)を詰まらせ、カファを増やし、身体をだるくさせる性質のことです。
なのにどうして風邪ひきにシュリカンドなのでしょう。以前、クリシュナ・ジーに尋ねたのに、 答えを思い出せません。

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