一般社団法人 日本アーユルヴェーダ学会

一般社団法人 日本アーユルヴェーダ学会

日本アーユルヴェーダ学会資格認定制度

アーユルヴェーダの資格制度について(H24.9.15)
日本アーユルヴェーダ学会認定小委員会 上馬場 和夫
1990年代に一時的にブームになったアーユルヴェーダが、2005年ごろから補完代替医療の隆盛とヨーガの普及もあいまって、再度認識されるようになってきた。

しかし、インド式オイルエステなどの別名でよばれ、「スリムになるためのオイルマッサージ」がアーユルヴェーダだという短絡的な理解のされかたが罷り通るようになってきた。さらに女性に男性のオイルマッサージをさせて売春まがいのアーユルヴェーダも風俗週刊誌で報告されるようになり、まさに日本のアーユルヴェーダが本来の深淵な「生命の科学」とは正反対の理解がなされようとしている。

また、インドの薬草製剤についても、いわゆる健康食品として販売されるのはいいけれど、薬事法違反の危険性があるような販売方法がされたり、単一の薬草だけの効果をとりあげてアーユルヴェーダの製剤として認識されているなど、伝統医学全般にも共通する薬食同源や方剤原理が忘れられ、現代医学の枠ぐみの中で理解されてしまうことが多くなった。

さらにインドの製剤の中には重金属が多く含まれるものがあり、実際カナダでは発売禁止になったものもある。そして日本では食品として輸入する場合、ポジティブリストにより799種類の農薬に関する基準を遵守する必要がでてくるなど、アーユルヴェーダを実践する場合、治療方法や製剤の安全性に留意することの必要性が増している。

日本アーユルヴェーダ学会では、このような日本におけるアーユルヴェーダの歪曲を是正し、アーユルヴェーダを健全に日本におけるアーユルヴェーダを健全に日本に普及させるべく、2004年ごろから、日本におけるアーユルヴェーダの標準化と認定制度の確立をもくろんできた。そのための認定小委員会を2005年から立ち上げて検討してきた結果、平成23年8月までの認定制度に関する同意を得た内容を、全員に再確認することとした。

●認定制度の目的
以下の5つがとして考えられる。

1 アーユルヴェーダの日本における健全な普及
2 アーユルヴェーダの施術法及び指導法の医学的、社会的安全性の向上
3 アーユルヴェーダの施術及び指導を行う者の、医学的、社会的保護
4 アーユルヴェーダ以外の補完代替医療関係の諸団体との交流
5 アーユルヴェーダの国際的交流の振興世界の健康と福祉に貢献


認定制度の発足のためには、アーユルヴェーダの標準化が重要であるが、インドでさえ困難となっている標準化を日本でできるのかという疑問も残るが、日本の法律制度の中で健全に普及できるアーユルヴェーダをまずは確率することが大切であろう。
さらにアーユルヴェーダという場合、インドやスリランカの薬草や方法をそのままとりいれて標準化することは、むしろアーユルヴェーダの原義に反する可能性もある。その土地で穫れる薬草や食材など、さらには施術方法についても日本あった方法を決めて、日本におけるアーユルヴェーダとして定義すべきであろう。その一つの成功事例は、御影教授と田澤教授らが開発したクシャーラ・スートラ用金沢1号である。

最近の欧米における統合医療(Integrative medicine)あるいは総合医療(Comprehensive medicine)の隆盛の中で、実はアーユルヴェーダが、最も古い医療でありながら、統合医療の将来像を内在した最も新しい体系ではないかと考えられている。それは単に医療にとどまらず、生命の科学として、生き方の智恵を説くのがアーユルヴェーダの原義であるからではなかろうか。
このような世界的な医療の変遷の中で、日本において、最先端の統合医療のあり方を示す最古のアーユルヴェーダとして標準化しておくことが必要ではないかと思われる。

ただ、その場合、日本アーユルヴェーダ学会の会員のバックグラウンドが、非常に多様であることが隘路の一つとなり、複雑な制度にならざるを得ない。しかし、もっとも基本的なアーユルヴェーダの理解や日本における健全普及のための知識には、アーユルヴェーダのセルフケアのための基礎、ディナチャリアー、食事、アビヤンガ、ベビーマッサージ、ヨーガなどのアーユルヴェーダ本来の実践的知識に加えて、現代医学的な解剖生理学、衛生学、健康学、そしてAEDなどの使い方など救急法の知識も包含することが必要ではないかと思われる。さらにまた、それらに加えて、補完代替医療、皮膚科学、心理学(カウンセリングとコミュニケーション理論)、ボランティア理論、法律(医療法や薬事法など関連法規)などに関する知識が必要と考えられる。
さらにペットのためのアーユルヴェーダも、日本では普及しつつあることから、動物のためのアーユルヴェーダ資格制度についても考慮するべきであろう。